8月8日

友情胸に別れを告げる

日本ジャンボリーが閉幕

 「ありがとう森吉」―。四年に一度開かれるボーイスカウトの祭典「第十二回日本ジャンボリー」(ボーイスカウト日本連盟主催)最終日の七日は、小雨が降りしきる中、森吉町の奥森吉青少年野外活動基地で閉会式が行われた。五日間の思い出が胸に込み上げる中、たいまつの火がスカウトの持つろうそくからろうそくに移され、光と感動の輪が会場に広がった。

 閉会式では大きなキャンプファイアーに点火した後、森吉の自然をうたい上げた大会歌「さあ行こうジャンボリー」を合唱。外国そして全国代表の旗が入場し、外国派遣団を代表してチリの指導者ダニエル・メンデスさん(27)が「ことしから来年にかけてチリで開かれる第十九回世界ジャンボリーで再会しましょう」と別れの言葉を述べた。

 続いて石田菊美副大会長が「ブナ林に囲まれ起伏に富んだ会場でのキャンプは、日ごろのスカウト活動の成果が発揮された」と閉会宣言を行った。最後は秋田市から駆け付けた竿燈の演技で飾り、大会期間中に練習した秋田派遣団のスカウトも出演した。

 今回のジャンボリーには海外派遣団三十四カ国五百人、各都道府県の参加隊約二万二千六百人、本部役員ら含めて計約二万七千人が参加した。毎日雨が降る最も涼しいジャンボリーとなったが、スカウトたちは十分な雨対策と日ごろの訓練の成果を発揮し、混乱なくキャンプ生活を続けた。

 上島真一郎副大会長は「自然を身近に見て目を開き、スカウトに自然愛護を教えてくれた。秋田県がジャンボリーを誘致したのは正しかった」と総括していた。

<写真は小雨の奥森吉に、スカウトのろうそくの火と感動の輪が広がった「第12回日本ジャンボリー」閉会式>

ガールスカウト188人も参加

 ○…「第十二回日本ジャンボリー」にはガールスカウト百八十八人も参加した。紺のキュロットスカートという野営用制服の少女たちはボーイスカウトの人気の的だった。

 ガールスカウトはボーイスカウトの女子と認識している人が多いようだが「財団法人ボーイスカウト日本連盟」(会員約二十五万人)、「社団法人ガールスカウト日本連盟」(会員約八万二千人)と組織は全く別。

 ガールが日本ジャンボリーに参加したのは平成二年の第十回大会(新潟県妙高高原)から。今回は野営長の加地菊子さん(47)=岐阜県=の指導の下、全国のシニア(中学生)、レンジャー(高校生)の百八十八人が参加した。隊員の一人の斉藤恵さん(15)=東京二百十七団=は「ふだんは街頭募金などの奉仕活動を行っている」という。本県の会員は二百五十九人で、今回は二十八人が参加した。

チーフリングを交換
 ○…日本ジャンボリーには三十四カ国約五百人の海外派遣団が参加した。会場中央にあるアリーナの「パビリオン館」には持参したパンフレットや特産物などを展示し、自国を紹介した。

 パビリオン館前では、海外派遣団のメンバーが、日本のスカウトを呼び止めてはチーフリングを交換したり、サインに応じた。チーフリングはスカウト必携のネッカチーフを胸の前でとめるリング。制服がきちんと定められているスカウトにとって、チーフリングは自分のセンスを発揮できる唯一のファッションとあって、デザインを工夫したものが多かった。


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