7月29日

「くまげらエコーライン」

全区間完成、森吉で開通式

 あとは二万七千人のスカウトを待つばかり―八月三日から八日まで森吉町で開かれる「第十二回日本ジャンボリー」に合わせ、改良工事が進められてきた通称・日本ジャンボリーアクセス道路(県道比内森吉線と福館阿仁前田線)の全区間が完成、開通式が二十八日、二路線の交わる森吉町阿仁前田で行われた。日本ジャンボリー開催の正式決定(平成七年)が大きな弾みとなり「早期開通」が実現した。

 開通式には県、森吉町、比内町、上小阿仁村、工事関係者ら約二百五十人が出席。神事の後、板東久美子副知事、松橋久太郎森吉町長、大沢清治比内町長、北林孝市上小阿仁村長らが一斉にテープカットした。

 この後、森吉町前田小学校児童約七十人の鼓笛隊を先頭に関係者がパレード。約七十台の車に分乗して比内森吉線の森吉山荘付近までの約二十四キロ区間を豊かな自然の景色を楽しみながら走行。森吉町米内沢コミュニティーセンターでは祝賀会が開かれた。

 アクセス道路は比内町大葛―森吉町阿仁前田―上小阿仁村小沢田を結ぶ約六十キロ区間。旧道路は二路線とも道路が狭く、急カーブが多く、ほとんどが未舗装の難ルート。福館阿仁前田線は冬期間閉鎖されていた。このルートは「北緯四〇度シーズナルリゾートあきた」構想に位置付けられたことで、県が昭和六十三年に福館阿仁前田線の改良工事に着手、さらに比内森吉線も平成五年度から改良工事に取り掛かった経緯がある。

 そんな中、日本ジャンボリー開催の決定で整備は一気に加速。会場への唯一の幹線道路としての役割を担うことから、県は平成七年度から集中的な整備を開始、日本ジャンボリー開催前の全線開通を目指した。このジャンボリー効果で「当初計画より二、三年は早く全線開通にこぎつけた」(県北秋田土木事務所)。二路線とも幅員は六メートル。総事業費は比内森吉線が八十五億円、福館阿仁前田線が百一億円。

 ジャンボリー開催時には比内森吉線が県道比内大葛鹿角線と連結し、東北自動車道の鹿角八幡平インターチェンジ(IC)とジャンボリー会場を結ぶ。

 このルートは国道285号や国道105号とつながる。森吉山県立自然公園や太平湖、小又峡、ノロ川ブナ原生林などへの観光ルートとして、さらに北秋田や鹿角地区と県中央地区を結ぶルートとして期待されている。公募で統一愛称は「くまげらエコーライン」に決まっている。

<写真はテープカットを行う関係者たち>

日本ジャンボリー会場へシャトルバスを運行

 ボーイスカウト日本連盟は、来月三日から七日まで森吉町で開かれる「第十二回日本ジャンボリー」の期間中、同町の秋田内陸線・阿仁前田駅―森吉山荘―ジャンボリー会場を結ぶシャトルバスと会場内循環バスを運行する。

 シャトルバスは日によって運行時間が異なり三十分―一時間二十分間隔。阿仁前田駅から森吉山荘を経て会場へ向かうシャトルバスは始発が午前八時半、最終が午後五時。皇太子殿下がご臨席される五日は最終が午後四時となる。開会式、閉会式など夕方以降、イベントが予定されている三日、七日は午後六時、同六時半発も出る。

 会場から阿仁前田駅へ戻るバスは始発が午前十時、最終が午後五時十分。五日は始発が午前八時、最終が午後四時四十分。三日と七日は午後六時半、同七時五十分、同九時発も運行する。

 見学者がマイカーで入ることができるのは森吉山荘前まで。指定駐車場に車を置き、会場にはシャトルバスで入ることになる。

 阿仁前田駅から会場までの往復料金は二千円、森吉山荘から会場までの往復は六百円。

 会場内循環バスは午前八時―同十一時、午後四時―同六時は五分間隔、午前十一時―午後四時は十―二十分間隔で運行。三日と七日は午後六時―同十時にも三十分間隔で会場を巡る。料金は百円。

 また、一般入場者は入場券(二百円)が必要。森吉山荘前のゲート、浜辺の歌音楽館、米内沢駅、阿仁前田駅で販売している。


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