8月5日 |
野外活動が本格化
手旗訓練、渓流探索も
森吉町の奥森吉青少年野外活動基地で開かれている「第十二回日本ジャンボリー」(ボーイスカウト日本連盟主催)第二日の四日は、スカウトがゲームなどにチャレンジする選択プログラムが始まった。
四日の天候は曇りで時折、雨がぱらついた。全国から参加した約二万三千人のスカウトたちは、朝食を終えると、六人ほどのグループごとにプログラムを選択し、思い思いの一日を楽しんだ。田沢湖など遠隔地の探訪コースに参加するグループは午前七時ごろ、バスで会場を出発した。会場内のプログラムを選んだスカウトたちは、昼食をリュックサックに入れて出発。広い会場内を探索した。
人気を集めたのはスポーツゾーン。バンジージャンプ、フリークライミング、パラグライダーに挑戦して汗を流した。野外活動では火おこしゲーム、オリエンテーリング、手旗信号なども行われた。このほか、ブナ林を流れる渓流沿いの遊歩道を探索して釣りにも挑戦。近くの森吉山ろく高原や小又峡を巡るコースにも出掛けた。
プログラムを修了したスカウトの手帳にはスタンプが押され、十一種目に達すると「パイオニア賞」のメダルが授与される。ジャンボリーに参加した名誉の証(あかし)とあって、スカウトたちは時間を惜しむように会場を回っていた。
手際よく「火おこし」
スカウティング・スキルゾーンでは、通信文を手旗で伝達する「信号」や「火おこしゲーム」「オリエンテーリング」などスカウト技術を競うゲームを中心とした選択プログラムが用意され、スカウトたちが次々に挑戦した。
「火おこし」は薪(まき)を削った木片に火を付け、地上三十センチの位置に張った縄を焼き切るゲーム。制限時間は二十分間、木片に火を付けるために使うことができるのは二本のマッチだけ。
静岡県富士市から参加した静岡第十二隊の渡辺太郎君(中学二年)を班長とする六人グループは、薪を削って木片を作る人、火を付ける人、風を遮る人に役割分担し手際よく作業。風のいたずらで木片に火を付けるところでてこずり、制限時間内に縄を焼き切るまでには至らなかったものの、終了間際に燃え上がった炎に、他の参加者からも拍手が起こっていた。
前日の雨で、用意した薪が湿っていたこともあり、多くのグループはなかなか火がつかず四苦八苦。ナイフで薪を削る手元も心もとなく、年長のスカウトのアドバイスを受けながら真剣な表情でゲームに臨んでいた。
<写真は風のいたずらに悩まされながら、火おこしに挑戦するスカウトたち>
田沢湖畔でハーブの香り満喫/皇太子殿下
森吉町で開催されている第十二回日本ジャンボリーに臨席される皇太子殿下は四日午後、秋田新幹線「こまち17号」でJR田沢湖駅にご到着、宿泊先の同町の「ファミリーオ田沢湖」で休憩された後、隣接するハーブガーデンを視察、各種のハーブの香りを楽しまれた。
「こまち17号」は定刻の午後二時八分に田沢湖駅に到着。殿下は寺田典城知事、北林康司・県議会議長、佐藤清雄・田沢湖町長らの出迎えを受けられた。駅前や沿道には町民が日の丸の小旗を持って歓迎、殿下はお車からにこやかに手を振ってこたえられた。
田沢湖畔にある「ファミリーオ田沢湖」では、寺田知事から約二十分にわたって県勢概要の説明を受けられた。殿下は秋田新幹線の利用状況や稲作の作柄などについて質問されたという。
この後、同町とJR東日本の第三セクターが経営する田沢湖ハーブガーデン「ハートハーブ」を約四十分にわたってご視察。園内のハーバルヒルでは、ステビア(キク科)の葉を手に取って口に含まれた。砂糖の二、三百倍もの甘さがあるだけに、殿下も「大変甘いですね」と感想を述べられた。
また、「クラフト香房」では、ラベンダーリースなどのクラフト細工に取り組んでいた女性たちに「どこが難しいですか」などと声をかけられた。
殿下はきょう五日、森吉山ろくで開かれている日本ジャンボリーの大集会にご臨席する。同日は大館市にお泊まりになり、あす六日にあきた北空港から東京に向かわれる。
<写真は田沢湖ハーブガーデンでハーブについての説明を受けられる皇太子殿下>
クマ出没に心配顔
○…日本ジャンボリー会場では連日、クマ発見情報が相次いでいる。四日も午前七時に会場の東側、午後四時ごろには南側のテントサイトの近くで目撃され、森吉町猟友会員が爆竹を鳴らして追い払った。
町では猟友会に要請して、大会開幕一カ月前から、爆竹を鳴らすなどのクマ追い払い作戦を展開した。しかし、もともとクマが多い地域とあって、関係者は心配顔。出没情報はクマの通り道に当たる三カ所に集中しているという。